彼は、一瞬寂しそうな顔をして優しい声で私の質問に答えてくれた。
「潮田って奴が教えてくれた・・。裕子が・・合コンに行ってるって」
黙って聞いていた私は震える手を強く握りしめた。
やっぱり透馬聞こえてたんだ・・。
バクバクと波打つ心臓を押さえてぐっと唇を噛む。
「・・そっか、助けてくれてありがとう・・じゃー・・私帰るね」
涙を堪える。
私は、彼を見ないようにして足を進めた。
忘れたいの・・だから、ごめんね。
嬉しかったよ・・凄く凄く・・嬉しかった。
だから、もういいの。
いいの・・・・・ありがとう・・。

