愛してるを心から




そんな馬鹿な考えしか浮かない。



私は、そいつの力が緩んだ瞬間を狙って力を振り絞り勢いよく腕を振った。



「あ・・おい!待てよ!」



私はよろけながら、残っている力を出して走った。




人気の無かった場所から抜け、できるだけ人混みの中へ行くように・・・。




「待ってって言ってんだろーが!」



だけど、男と女の差は歴然。



私は、またさっきのように腕を強く掴まれた。



そしてぱっと目を開くと男の人の拳が私の顔に向かって飛んできていた。



いや・・・いや・・・っ!




「・・・にしてんだよ!」


耳に聞こえたその声・・。




私は、静かに涙を流した。