「おい、なんだよいきなり帰るって!」 ぐっと強く引っ張られ、私はこけそうになる。 掴まれた腕がいたい。 「離して・・!」 私も抵抗するように、力を入れる。 だけど、痛さが増すだけで大きな掴む手は離れない。 「どーなんだよ、なー!」 断ったら・・・そいつの目がそう言っている。 怖い・・・ただ私の中には恐怖しかなかった。 誰か・・誰か・・・! 「しょ・・う~・・・」 私の頬に涙が伝う。 自分を振った男の名前を呼んで・・。 もし、もしも翔が私の彼だったなら・・・助けてくれたかなぁ・・・。