そんなのただの自己暗示に過ぎなくて。 忘れられないから、好きだから、今こうして泣いているんだ。 言葉で変えようと思っても、変えられないものだと改めて知った。 じっと翔の背中をみつめる。 涙でかすんではっきりと分からない。 だけど、あの大きな後姿はあの時のまま。 ・・・そのまま。 翔が見えなくなる、そう思ったとき急に視界が暗くなった。 目には温かい大きな何か。 ・・・これは手?