「ストップ!若池さん、ちゃんと手を動かして!やる気ないの!?あるの!?どっちなの!?」




「すません・・」




「・・・やる気がないなら、出ないで。貴方一人のせいで演奏を壊したくないわ」




呆れたように河津は私を見下ろして「今度は個人練習、始めて」と皆に合図した。



トロンボーンの音が響いて、次々にまた別の楽器の音が響く。



私は顔を伏せ、口にフルートを持っていく。




やる気がないわけじゃない。


ただ、どうしても緊張して上手く出来るか心配で・・。



だけど、このままだと結局みんなの足を引っ張ることになる。





・・・だったら、私出るのやめようかな・・。



私のせいで皆の培ってきたものが壊れてしまう。




それは、とても悪い。