「ん、俺もさっき来たんだ。だから、気にしなくていいよ」 翔は、さっきまで空を見上げていた顔を私に向けて笑った。 その顔は、綺麗だけど優しそうだけどその奥にはあの顔がちらついていた。 「・・・そっか」 だけど、聞けない。 悲しそうな顔の理由を聞く事を体全体が拒否しているようだったから。 「そういえば、話って何?」 「あ、あのね私」 翔、やめてよ。 そんな悲しそうな、切なそうな、泣きそうな顔しないでよ・・・。 そんな顔されたら困る。 声でなくなる・・・。