“ 渡守 翔 覚えといて! ” その文字が私の目に綺麗に焼きついた。 目線を紙からずらし、後ろへと顔を向ける。 それに、気づいたのか彼も私のほうへ向き、微笑んだ。 ドクドクする、心臓。 私は、急いで顔を前へと向けた。 ギュッと目をつぶる。 渡守・・・翔。 “ 翔 ” その名前が、離れなかった・・・。 まるで、恋をしているように。 心が、彼一色に染まっていった・・・。