「私も声、聞きたかった。翔の優しい声がすき」
お母さんが近くにいる事も忘れて、私は翔にそういった。
電話の向こうでは、何かが落ちたような音が響いた。
「翔、大丈夫!?」
私の問いかけから、10秒ほど経って小さく翔の声が聞こえる。
「裕子恥ずかしすぎる・・、俺思考停止しそう」
なんか、可愛い。
私は微笑んだ。
「翔・・・なんでもない!」
いいかけた言葉をとめる。
「え、何?言って」
「なんでもないー、おやすみ!」
「え、ちょっ裕・・」
私は通話を途中できり、赤くなっている頬に手をあてた。
翔、大好き。

