「・・うん、考えてた」 私は無意識のうちに答えていた。 恥ずかしさがあとから襲う。 数秒たって、翔の声が聞こえた。 「・・・それ、反則だと思うんだけど」 翔の声は、さっきよりもちょっと違ってて。 私は、クスクスと笑った。 「ところで何で電話かけてきたの?」 「んー・・・声、聞きたかったからじゃ、駄目?」 私の意地悪な言い方を翔は優しく返した。