でも、恐れてばかりじゃいけないんだ。
恐れて前へ進まないのが、一番いけないと思う。
それこそ、人の気持ちを離れていかせてしまうんじゃないかな。
「あたしね、玲衣の事好き。大好き。でも、同じぐらい隆太も好きなの」
茉莉が相槌をいれる。
「だから、両方失いたくない。そのためにあたしは、闘ってみる」
「挑戦してみたい」、実は最後にそういうと笑って私たちをみた。
そのときには、涙もなくなっていて実の顔は晴れやかだった。
「あたしも、手伝うよ。実の挑戦を」
茉莉も笑う。
「私も手伝う。出来る限りを、全部」
私も笑って、実にいった。

