「なるほど!解き方分かった!」

彼は、そう言って私を見た。

嬉しそうに、私を見る彼に、私の心も嬉しくなった。



「良かったぁ、私教え方上手くないから心配だったんだ」


彼の予想以上の反応に私は嬉しくて。

目を細めて笑った。

頬全体から、温かくなってくる。

照れながら笑う私をみて、彼も笑ってくれた。


「上手いよ!この俺でも分かったもん、ほんとありがとう」


子供みたいに笑う彼に、私の心があったかくなる。


「ほんと?嬉しい、こっちこそありがとう」


そういって、彼の顔をみる。


と、急に彼が私の名前をよんだ。


私は不思議そうに、首をかしげる。


「俺の名前、知ってる?」


そういわれてから気づいた。

・・・名前、知らない・・・。