つぐみは出ていった。


書き置きとピンクを置いて
いつのまにか
荷物も持って行っている。



 夜逃げか……


俺は茫然としてた。




『今までありがとう。
ピンクはカズがお気に入りだから
このまま置いて行ってあげるから
可愛がってあげてね。』



ピンクを置き去りにして



「ピンク…いいのか?
俺と一緒で……」




 ミャン


心なしか元気な返事



「女は面倒だな~
俺はおまえがいればいいよ。」



ピンクの鼻先を撫ぜた。


突然なことで動揺はしてるけど
少し気持ちが楽になった。

つぐみがよく言ってた


 カズは冷たいよ



そうかもしれない……



その夜からピンクは俺に
寄り添って眠るようになった。