「ピンキーの唇の色が
ピンクの鼻の色と似てたんだ…」



私も涙で和人の顔が
見えなくなっていた。



「重ねてくれたのね……」




「ピンク……
これは夢か?」



「夢よ・・・・・。
おとぎ話の中よ・・・・・。」




「どうしてあの日いなくなった?」



「この日のためよ……
あなたともう少し一緒にいたくて
あなたから姿を消したの…」



「探したんだ……」



「知ってるよ・・・
和人には私は宝物だったから~」



涙は和人が指で
ふいてくれた。



「あの頃
ピンクがいれば女なんて必要なかった。
だっていつも俺のことだけ
待ってくれてたから
つぐみと一緒にいる時
人と一緒にいるって面倒だって
思ってた。」



和人はそう言うとまた
私を抱きしめた。