その条件があまりにも
残酷で私は
悩んでいた……。



私が和人を想って生きてきた
年月はそれはとても
宝物だったから………


私はピンク・・・・・
あの雷雨の夜
死期を感じて私は最後の力をこめて
動き出した……


もし神様が迎えにきてくれたら
ずっとずっと
お願いしたいことがあった。


飼い主の胸の中で
最期の時を見せなかったら
姿をかえて
いつかまた会いに来れる……


それは猫の中でも
おとぎ話だった・・・・・。
でも私は 和人をまだ一人にしたくなかった


大嫌いな雷雨の中
私はそのおとぎ話にすがりたくて
神様が訪れるのを待っていた。


 和人 心配してるだろう

そう思った瞬間

「ピンク~~!!」

私を探しまわっている和人が
この雷雨の中走っていた。
私の名前を呼んで・・・・
雷や雨に負けないような大声で



「私はここよ・・・・」


そう叫びたい気持ちを
必死に抑えた。


「愛してるよ…和人…」


胸の中で何度も叫んだ………