バシャバシャと雑に顔を洗っていると、木月くん、と声を掛けられた。 顔を上げると、金髪が光に輝いていた。 「…高村、くん?」 「田原。それワザとでしょ」 「………なに?」 水飲場に腰を降ろした田原は、フられちゃったの?と直球で聞いてきた。 「フられてねえ。告ってねーもん」 「うわー、また姑息な手を」 「まだ好きですって直で言ってねーし!」 ムキになって言い返せば言い返すほど、頭が冷静になって行く。