ぶはっ、と噴き出す竹之内を見てイライラが募る。

「…なんだよ」

「真朱はお前のペットか?」

「ちっ、がう!つか、これ以上真朱を悩ませるならぶっ殺すからな!」

「…ああ」

ああ、って。

「いや、奪う!寝取る!」

「…寝取るのは女だろ」

「んーっなこた良いんだよ!良いから大事にしろ!」

「はいはい」

「はいはいってなんだよ!不器用な癖に慣れた様な口利きやがって!」

「……………」

「な、んだよ…黙るなよ…」

「血」

腕を引かれて隣に座らされた。
竹之内はバッグからバンドエイドを取り出すと、俺の肘にぺたりと貼った。

さっきハゲ(体育教師のあだ名だ)振り切った時に校門で腕ぶつけたんだっけか…

「どうも」

「一生懸命になるのは良いけど、自分を大事にしないとね」

「…誰のために来てやったと思ってんだよ……」

「何か?」

「…いえ」

視線を逸らすと、また竹之内が笑った。