頭が重いが、顔を洗って、外に出た。

まだ少し濡れた頬に生暖かい風が通って、少しだけ気持ちが良い。

「…真朱さん」

「ほあ、っはい!?」

「ほあっ、て」

クスクスと笑うのは、田原だった。
相変わらずの長身に、金髪が眩しい。

「何ですかー」

怒った様に言えば、ごめんね、と笑顔で言われる。

「ああ、えーと…」

さっき泣きそうな顔して、トイレ駆け込んでったから。

どうしたのかな、って。

「………田原くん、今から帰る?」

「あ、うん、」

「時間平気なら、ちょっと話聞いて欲しいんだけど…」

「あー、良いよ。生徒ホール行こっか」