そんな事を考えていると、奥から声がした。


「…あら、お知り合い?」


直感的に電話に出たのはこの人だ、と思う。

竹之内はその女の人に喰ってかかった。

「今日来る人の名前もう一度言って下さい」

「え…マソウ…ユウキ?」

あ、違います。
マソ『オ』です。

「どっからどう考えても男の名前だろうが!お前、名前は」

「…真朱、有希(ユウキ)です」

「………」

竹之内は頭を抱えてしゃがみ込む。


「最近思ったんだけど、女の子でもユウキって名前の子いるのね」


女の人だけがニコニコと笑っていた。