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「お疲れ様」



煙管片手に振り向くと、白髪頭の坊ちゃんがいた。

「…岡田の坊ちゃん」

「その呼び方止めてほしいね…もう24になるんだから」

「すいません、癖で」

「きっともう終盤だからテキトーにハケテくれれば良いから」

ヤクネタの茜が癇癪起こす前にさ。

「…坊ちゃんは上に行かないんですか?」

「僕は肉体労働より頭脳労働の方が向いてるんでねえ」

「…そうですか」

「んじゃあねえ。僕は本部に連絡してくるよ」

ひらひらと手を振り、白髪頭は黒塗りの車に乗った。
俺は頭を下げ、車が走り去った方向とは逆の方向に歩き出した。