[木月]
煙幕を投げた後、田原にズルズルと引き摺られ、坂本(だっけ?)の後ろ側に押し込まれた。
「鼻摘め!何も見えなくなんぞ!」
次の瞬間、饐えた様なーーーー
「ゔぇっ!?げほっ、」
刺激臭が鼻を衝く。
慌てて鼻を覆うが、涙が溢れて止まらない。
「催涙ガス!?」
「勘弁してくれよ!」
「目が痛え!」
松葉が、ガスマスクをしていた。
…何処から持って来たんだ?
もさっとマスクを外し、引き摺って来た二人を落とす。
「あー、ホントに…勘弁して」
フラフラと腹を押さえ、階段を転げ落ちて行った。
「松葉!」
「茜ぇ、早くそいつら連れて来い」
ひっくり返った松葉が、坂本を見る。


