文系男子。


[真朱]

何が起こったのか分からずにいると、首根っこを捕まれた。

木月が投げたのは爆弾ではなく、煙幕の様な物らしい。
視界が真っ暗で怖い。
首根っこを掴む手に従うしかなかった。

「向こうだ!」

誰かがあたしに気づいたらしい。
怖くて繋がってない方の手で胸を押さえると、何か硬い感触があった。

「…あれ」

ジョーヴェが言ってた言葉が蘇る。


あたしは黒い指輪を摘み上げると、力一杯握って、投げた。