「あかねっ!」 着物の男の人は坂本の肩を揺さぶる。 だらりと下がった腕が揺れた。 「なんで、なんでなんで!今日からじゃん!俺ら…折角」 男の人はヒステリックに叫んだ。 誰も動かなかった。 ずっと男の人が鼻を啜る音がした。 1分?2分?いや10分? ぱち、ぱち、ぱち。 場違いな拍手が教室に響いた。 竹之内が刺す様な視線を向ける。