「色々ぐっちゃぐちゃなのねえ、お前の家族」 流石の俺も同情するわ。 涙を拭う素振りをしたジョーヴェは、あたしの手を取ると、竹之内の前に立たせた。 「なに…」 「やっさしい俺は、お望み通り彼女を彼氏に返すよ」 あたしの右手と竹之内の左手に鎖をかけたジョーヴェは、目の前で、手錠の鍵を窓の外に投げ捨てた。 ガサッと鍵が木々に触れる音がした。 「お家には帰れないかもしれないけどね」