最近は色んな事がありすぎた。
竹之内と出会ってーーー
そこから普通でない場所に足を踏み入れてしまった。
不安だ。
お母さんは今どう思ってるのかな。
ケータイは取り上げられてるし。
明日何かあるらしい。
「…死んじゃう…とか」
手すりをギュッと握る。
口に出してみたら、妙に現実味を帯びた。
温い風が吹いて、あたしの髪を弄ぶ。
「どうかしたの?」
セクシーな声が背中でした。
「…いえ……色々ありすぎて、疲れたなあって」
「竹之内、だっけ?」
「あ、…ええ」
「……あの人、どんな性格なの?」
「え…んと、」
どんな性格なんだろう。
…無愛想でいつも不機嫌で本が好きで子供っぽくて
律儀。
「あ、そうだ、律儀な人です」
言うと、スゥイーノはクスクスと笑った。
「良い人ね」
ぎゅう、と抱き締められた。
温かい温度を感じて、どうしてか泣きそうになる。
「…わたしはあなたたちの敵でも味方でも無いけどーーー」
一人の女として、応援するわ。
「…ありがとう」
あたしが笑うと、スゥイーノは頭を撫でてくれた。


