文系男子。

[木月]

結局、先生たちは戻ってこなかった。

「…黙っててもらえるか」

話し終わった後、竹之内は俺を見た。

「もちろんです」

俺は笑う。
すると、竹之内のケータイが鳴った。

「…ああ、分かった…うん」

相手は加藤先生らしい。
ぼそぼそと低い声がした。
電話を切り、竹之内はこう言う。

「…戸締りして待ってろってさ」

「俺大丈夫だよ。家すぐそこだし」

「…ほんとか?」

「先生っちがくるまでに行って帰ってこれるよ」

笑っていえば、そうか、気をつけて、と返って来た。