「どうした真朱ーちょー上機嫌じゃん」

昨日の一件から顔が緩みっぱなしだ。

「そうーちょー上機嫌なのー」

クラスでかなりのウザさを誇る遠藤一茶に笑顔を向けながら言った。

「彼氏でも出来たの?」

「えー?そんなのよりもっと良いこと」

「んー…何だろう」

「あのさ、これ分かる?」

のおちことみの本をカバンから取り出し、遠藤の前におく。

「あ!この前見た!」

何故か嬉しそうな遠藤。

「これドラマ化しそうな勢いだよねー」

「うんうん、その内するでしょ」

パラパラとページを捲った後、で、これが何?と聞いてくる。

「この人のこと記事に書いてるの」

「ホントに~?マジで旬の話題じゃん」


「そうなのー。それでね、



今度、インタビューに行くことになったんだあー」



「え、?…はあああああ?!」


「いやね、ダメ元で事務所に電話かけたら、『丁度スケジュールが空いてるから良いですよ』って」

「何それ、すげええええ!それかなりすごいよ!」

きゃあきゃあと二人で手を取り合い喜んでいると、不意に肩を掴まれた。

「えっ?」

振り向くと、普段話さないグールプの人たちが勢揃いしていた。


「………今の話、ホント?」


「あーうん、ホント」

「頼む!連れてって」
「あたしも!」
「あーユリっちばっかずーるーい。あたしもー」




これは、マズい。