「…ちょっと待ってもらおうか」 何か背中に硬い物が当たった。 銃か、ナイフか、はたまた刀か。 「何でしょう」 「どうも、ネズミ臭いんだが?」 加藤の、低い声がした。 「日本人じゃないな?」 「……」 「所々イントネーション間違ってるぞ」 「へえ。それなら次はバレ無い様にしないとーーー」 「次は無いさ」 言い終わらない内に襖を蹴破って外に出た。