[木月]

部活が終わり、俺と谷内が校門をくぐると、


「あ、ねえ」


呼ばれた。

振り向いてみると、声の主らしい男はこちらを見ていた。

暗がりでよく見えなかったがかなり背が高く、茶髪でスーツを着ていた。

「…はい?」

勿論、知り合いではない。

背の高い人の知り合いは少ないのだ。

剣道の先生でターミネーターみたいな人なら知ってるが。