ホームレスとお嬢様


いっそ…、このまま死んでしまってもいいんじゃないか…?

『もう、無理だよ…。』

その時、

キキッ

横で車が止まった音がした。

「どうしてそこで倒れているの?」

誰かの声が聞こえる…。誰だろう…。だけど、今はとても苛々して、それどころじゃない。

『……。』

「ねぇ、あなたボロボロじゃない服も、体も、心も──。」

『うるさいだまっ…』

黙れ。そう言おうとして顔を上げた瞬間。

見知らぬ女の子が、僕の頭を撫でてくれた。それは、暖かくて、優しくて、心地よかった。それにとても美少女だ。金髪の長い髪を後ろで結っている。髪からシャンプーの甘い匂いが漂ってくる。

「あなた…、大丈夫そうじゃ無いわね…。」

『…………。』

あれ、だんだん意識が遠退いて………………

「良かったら私の──」

ガクッ

「ちょ!!大丈夫!?間宮、至急対応よ。」

「はっ。」

既に僕の意識は無かった。