友達はいない。小学6年生まで通ってたけど、お金もつきて、いじめられて、もう行けなくなった。

「窈〜輝〜。たっだいま〜♪」

『お父さん。お帰りなさい。』

「はっはっは。また競馬がダメでさ〜。これ、今日の晩御飯代な。」

そう言って渡されたお金は105円。まだいいほうだ。酷い時には10円とか。無いとかね。
お父さんもお母さんも盗んだお金で競馬や賭け事をしている。

『じゃあ僕の晩御飯買ってくるね。』

「ん?ちょっと待って窈輝君?」

『え?』

久しぶりにお父さんに腕を掴まれた。

「このお金はお父さんの晩御飯代だよ?誰が窈輝の買ってこいなんて言った?ん?」

『え?だって……。』

そう言った瞬間、

ドゴッ

頬に鈍い音がした。