白色スケッチブック

「やばっ、忘れ物!」

夕方の学校の廊下をばたばたと走り抜けるのは私・端本知夏(はしもとちなつ)。
今年中学生になったばかり。

「ええと、えと、教室ここだよね??」

まだ中学校生活にはあんまり慣れてなくて、教室の位置も半信半疑。
少し息を切らせながら、教室のドアに手を掛ける。

ガラリ。

ドアを開けると、薄暗い教室と、そこに差し込む夕日の光が目に入る。
そして、机に寝そべる人の姿も…。

「え、誰!?」

びっくりしながら私は歩を進める。
あ、この人…、私の後ろの席の人だ。
名前は確か…

「松井由樹(まついゆうき)…?」

「………」

本当に寝てる。
コレ、起こした方がいいのかな…。もうすぐ学校閉まっちゃう時間だし…。

私だったら、どうして欲しいかな。
ここで寝るくらいだったら相当眠いんだろうし
でも、ここで放っておいて朝になってたり…とか…。

「よし。やっぱり起こそう。あ、その前に机の中に忘れた教科書を…ん?」

私は寝そべる松井の下敷きになっているリングノートを見つけた。
リングノートは開いていて、近くにBの鉛筆も転がっている。
そして、机の端と下には、消しゴムの消しカスが落ちていた。

「…なに書いてたんだろ」

ていうかこのリングノート、妙だ。
よくみると一枚一枚が少し厚くて、おまけにノート特有の横線が無い。
……落書き帳?

気になるな。起して、見してもらおう。