少しの判断ミスが己だけでなく、仲間の命をも危険にさらす事になるのだから──

 ベリルは特にそれを考える。

 死ぬ事の無い自分に仲間が巻き込まれる事を最も嫌うからだ。

 ──事件は解決し、ベリルたちは帰り支度を始めた。

「ありがとう」

「僕は何もしてないけどね」

 ミーナの礼にダグラスは苦笑いを浮かべたが、彼女は首を横に振る。

「ううん、側にいてくれたから安心出来たもの」

「だったら良かった」

「代金は振り込みでいいのだね?」とモリス。

「今回は割引させてもらう」

「それは助かるよ」

 そう応えたベリルと笑顔で握手を交わした。