クラウ・ソラスの輝き

「大体、この朴念仁(ぼくねんじん)に恋人なんている訳ないよ」

「悪かったね」

 しれっと応えたダグラスに顔をしかめる。

「えー、そう? とってもステキだけど」

「それとこれとは別の問題」

 ダグラスはゼリーを口に投げ込み、当惑した様子のベリルを一瞥し勝ち誇った表情を浮かべた。

 ベリルに勝てるチャンスなどほとんど無いのだ。

 ささやかな勝機を見逃しては一生、勝てないかもしれない。

 どんな勝ちだって取っていく!

 少年はそう心に決めていた。

「お酒って美味しい?」

 少女は美味しそうにグラスを傾けている二人を交互に見やった。

「そうだな。飲む理由は様々だ」

「ミーナもいつか解るさ」

「ふーん?」

 生返事でゼリーを口に含んだ。