クラウ・ソラスの輝き


 ──その頃、父のモリスとベリルはリビングでくつろいでいた。

「傭兵という仕事は大変かね?」

 おもむろに問いかけたモリスを一瞥し、苦笑いを浮かべる。

「そうだな、内容によってはかなり変動する」

 ベリルに来る依頼は重要度と難易度の高いものが多い。

 彼が不死だからというよりも、その成功率によるものだ。

「君は不思議な男だ」

 モリスはぼそりとつぶやき、グラスを傾けたあと柔らかな眼差しで宙を見つめた。

「ミーナのあんな笑顔は久しぶりだよ」

 脅迫状のあと、警護を増やしても少女の怯えは消えることがなかった。