保護した子供を長く置いた事がないベリルは間近で見るダグラスの成長に心中では驚嘆していた。

 自分の幼い頃など基準に出来るはずがなく、もちろんダグラスでさえ一般人と比べれば異なる。

 それでもまだ少年の事象は現実に起こり得ることであり、実際に起こった事だ。

 日々、かつての盟友の影を色濃くしていく少年に時折、記憶が呼び覚まされる。

 再開していれば彼の運命は変わったのだろうか。

 ほど遠い世界にいた訳でもないのについぞ再び出会う事はなかった。

 世界は狭いようでいて、なんと広いのかと思わずにはいられない。