クラウ・ソラスの輝き

 マクスウェル家の人たちを壁際に、その両端には警護(ガード)が腰掛けた。

 ベリルはフロア内に背中を向ける形になるが、目視での警戒は警護たちに任せ背中で気配を探る。

 素早く動けるようにするための位置だが、ガードたちが若干の不安をその目に表していた。

 ダグラスは慣れたものでメニューを呑気に眺めていた。

 背中に目でも付いているんじゃないだろうかと思うほどにベリルの反応は素晴らしいからだ。

「このコース料理でどうかしら」

 リサが提案し皆がそれに頷いた。

 そうして、ナプキンを移動させるベリルの動きにリサとモリスが目を丸くする。

 違和感のまるでない上品な動き、そしてワインを訊きに来たソムリエにも完璧な対応を見せ一同を感嘆させた。