クラウ・ソラスの輝き

「お姉ちゃん」

「あら、ニール」

 およそ百五十センチほどの少年が笑顔でミーナに近寄る。

 十歳くらいだろうか、バーリーウッド(黄土色よりもやや茶色)の短髪に黄緑の瞳が少女を見上げる。

「これからお出かけ?」

 少年は少女の目の前に来ると、照れたような表情を浮かべた。

「え? うん、そうよ」

「そか。じゃあいってらっしゃい」

 笑顔で手を振るニールに同じく手を振って応え、乗り込んだ黒いリムジンがゆっくりと発進した。

 その後ろには警護の車がぴたりとついている。

「今の子は?」とダグラス。