クラウ・ソラスの輝き

「ベリル」

 呼んだダグラスに振り向くと、エメラルドの瞳が曇ること無くその輝きを放っていた。

 異様とも思える輝きだが、初めのうちは驚いていたダグラスも今ではもう慣れてしまった。

「少し見回る。もう寝ろ」

「解った」

 二階の寝室に向かうダグラスの背中を見送り、家の周りをゆっくりと回る。

 裕福な家庭の平均的な敷地面積だ、ひと通り見回ったが嫌な気配は無い。

「ふむ」

 他に異常が無いか確認し、夜警にひと声かけて寝室に向かった。

 ダグラスとベリルは同室だ、すでにベッドに潜り込んでいる少年の寝顔を一瞥し、反対側にあるもう一つのベッドに体を滑り込ませる。

「おやすみ」

 小さく発して目を閉じた。