クラウ・ソラスの輝き

 レジデントは「居住者」を意味し、それは「悪魔の器」という意味合いとなる。

 科学者たちはそう名付けながらも、彼にどんな未来を思い描いていたのだろうか。

 自分たちのした事に酷く後悔したのかもしれない。

 それでも、自分たちのした事は正しかったのだと思いたかったのかもしれない。

 施設にいた頃、ベリルは人間の生活を学ぶうえで中継カメラの映像を眺める時間があった。

 そこにいるであろう人々、笑顔、死。

 ディスプレイ越しに映される外の世界。

 現実に存在しているのに、決して触れる事の出来ない向こう側の命──淡々と流される風景をベリルは無表情に見つめていた。

 その心の奥に何を抱いていたのだろうか。