ベリルは心の中で泣いていたんじゃないだろうか。

 吐き出せない感情に苦しんでいたんじゃないだろうか。

「どうやっても救えない命がある」

 それが現実──それでもベリルは自分の出来る限りをしようとする。

 どうしてそこまで自分を犠牲に出来るんだろうとダグラスは不思議でならなかった。

 きっと昔に何かあったんだとは思うけど、それはベリルの心の中に仕舞っておきたい事なんだろう。

「どんなに多くの人を助けても人殺しに代わりはない。正義なんて思っちゃいない。だけど誰かがその罪を背負わなければならないのなら、俺たちがその役になればいい」

 ベリルの仲間たちは、そんな強い志で戦場を駆け抜ける。