どうして傭兵の世界に入ったのかを訊いた事があった。

 ベリルは、

「それが適正だと判断したからだ」と答えた。

 その言葉には、どれほどの重みがあるのだろう。

「いつか私を必要としない時代が来る事を願っているよ」

 いつもの柔らかな笑みでつぶやいた。

 ベリルは死なないから、いつも無茶をすると仲間たちが言っていた。

 自分を盾にして護ろうとするのだと。

 だけど、痛みや苦しみは僕たちとなに一つ変わらない。

 逆に言えば死ねないんだ。

 酷い痛みや苦しみに遭っても、ベリルは死ぬ事が出来ない。