──食堂では、ミーナと母が歓迎会の準備を続けていた。
いつもより二人分多い料理はテーブルに乗せきらないほどだ。
壁の飾りはダグラスが担当し、折り紙で作られたチェーンが食堂を華やかにする。
「準備出来たわ!」
「二人を呼んで来るわね」
リサがリビングに足を向けた。
「二人とも、夕食よ」
「ようやくか」
モリスが立ち上がり、続いてベリルもゆっくり腰を上げる。
「ベリル! こっち!」
ミーナがベリルの腕に手を回し、笑顔で席に促した。
なんとなくそれが気に入らないダグラスは、ムスッとベリルの隣に腰を落とす。



