「卵白と卵黄を分けてくれないかね」

「はい」

「板ゼラチンを水に浸す」

「了解~」

 手際よく指示を送り、よく通る声がキッチンに響く。

 レシピも見ないで的確に分量を計るベリルにミーナは感嘆した。

 本当に彼は料理が得意なんだなと納得する。

 そうしてムースが完成し、冷蔵庫で固める間にオレンジゼリーを作って固まったムースの上に流し入れ、再び固めれば完成だ。

「ウフフ、完成が楽しみ」

 少女は嬉しそうに笑った。