クラウ・ソラスの輝き

 少年はベリルの息子でもなければ血縁という訳でもない。

 ダグラスが彼の弟子になったのには、それなりの経緯がある。

 彼の父親もまた名のある傭兵だったが実は本当の父親ではなく、母親のアイシャが誘惑した数いる者の中の子どもだった。

 実の父の名はクリア・セシエル──彼は、

「流浪の天使」と呼ばれるハンターだった。

 宛もなく旅をし、その容姿も相まってそんな通り名が付けられた。

 ハンターとは、指名手配犯や依頼により指定された相手を捕まえて引き渡す者の事だ。

 依頼内容によっては死体を引き渡す事もある。

 自分の子ではないと気付いた父、ハミル・リンデンローブは、ダグラスと妻への憎しみと同時に、不死であるベリルに妬みを抱いた。