「ごめんごめん。さ、続き手伝うよ」

「あ、次はケーキ。ベリルは甘いものとか大丈夫?」

「さあ~、どうだろ。僕が好きだからときどき作ってくれるけど」

「作ってくれる?」

 ミーナは彼の言葉を聞き逃さなかった。

「あ……。うん」

 しまった、また余計なことを言っちゃったぞと苦笑いを浮かべて頭をかいた。

「もしかして、料理得意?」

 不安げな瞳が少年を映す。

 しかし、今更ここで嘘は吐けない。

「あーうん。まあまあ」

 それでもやんわりと答えたが、ミーナの手が止まり少年はどうしたものかと思案した。