クラウ・ソラスの輝き

 もっとも、ベリルを相手にそれも成立するハズがない。

 少年の言うように、ベリルには恋愛感情が欠如している。

 周囲からは道徳観念の固まりのような人物に見えている事だろう。

 外見のイメージとは違った態度に少しがっかりする者もいる。

 彼にどんなイメージを抱いているのか疑問ではあるが……。

 とにかく、そんなベリルの恋愛事情に巻き込まれるのは面白いが面倒極まりない。

「そっちは何?」

「ミートローフよ」

 その返答にダグラスは絶句した。

 自分が食べてきたものとはおおよそ形が違っている。

「へえ」

 確かミートローフってアメリカの家庭料理だよね。

 パンの語源となった古英語のローフからきてたんだっけ?