クラウ・ソラスの輝き

「アハハ! もしかして、何か勘違いしてる?」

「え?」

「あたし、彼のこと別に気にしてないわ」

 口に手を当ててコロコロと笑うミーナに目を丸くする。

「……そうなんだ」

「そりゃあ、初めは『いいな』って思ったけど。なんていうか、近寄りがたい感じがするじゃない?」

「ん、まあ」

「あたしには『凄く遠い人』かな」

 ミーナの言葉に、ダグラスは何故かホッとした。

「ママはもっと接近したいようだけど」

「え……」

 再び驚いた顔をした少年にミーナがまた吹き出す。

「驚いた? 安心して、ママはパパを愛してるから」

「……なんだよ」

 苦笑いを返すが、少年にとっては冗談では済まない話だ。

 本気で不倫を考えていた女性も今までに存在したのだから。