クラウ・ソラスの輝き

「歓迎会?」

「だって、しばらくここにいるんでしょ?」

「そりゃそうだけど、その主役に手伝わせるワケ?」

「あら、あなたは弟子だから主役はベリルじゃない」

 しれっと応えられピクリと片眉を上げた。

 歩くフェロモンめ……。

 ダグラスは喉の奥で舌打ちした。

 そこにいるだけで自覚無く女を口説く「ベリル」という存在に、少年は多少の苛立ちを覚える。

「言っとくけど」

「何?」

「ベリルって恋愛感情、皆無だよ」

「え?」

「あ」

 しまった、つい余計なこと言っちゃった……。

 ベリルが悪い訳でもミーナが悪い訳でもないのに、僕はなにミーナに当たっているんだ。

 少女は視線をそらしたダグラスをしばらく見つめてプッと吹き出した。