──俺には三人の父がいる。
十五歳まで育ててくれた名うての傭兵だった、ハミル・リンデンローブ。殺されかけたけど、それまで愛してくれた記憶は忘れない。
一度も会った事は無いけれど、流浪の天使と呼ばれた俺の本当の父、クリア・セシエル。
ベリルの盟友であり強い絆は決して断ち切れない。
そして、全てを受け入れることを教えてくれた素晴らしき傭兵、ベリル・レジデント。
存在する事を拒もうとした俺を導いてくれた。
暗闇だった道の先。
ともすれば、足を踏み外しそうになる俺に優しく手をさしのべる。
ベリルにはまた、新しい名が付けられるのだろう。



