クラウ・ソラスの輝き

 青年の顔立ちからして、北欧の人間かもしれない。

 まさか、同じことを考える奴がいたなんてと含み笑いを浮かべる。

 クラウ・ソラスとは、ケルト神話のダーナ神族、ヌアザ王の剣の名である。

 鞘から抜くとその輝きに目が眩(くら)み、敵を両断するという不敗の剣だ。

 ベリルがまさにその、黄金に輝く剣(つるぎ)のように見えた。

 仲間たちはそう成るために、そう在るために戦い続けているのかもしれない。

 そこには善か悪かじゃなく、ただ命があるだけだ。

 理不尽に蹂躙(じゅうりん)していく者から、その命を守るために自らを剣と成す。

 その中で一際(ひときわ)、輝きを放つ光の剣をみんなは目指す。